タンゴセラピーを通じて出会ったボランティアの皆さまからの声をお届けしていきます。
今回ご紹介するのは、広島で活動中の、タンゴ愛好家のまさみさんからです。まさみさん、ありがとうございます!
〜タンゴセラピーと私〜
広島のMASAMIです。
タンゴセラピーの活動が広島でもできるようになって、1年が経ちました。
1施設(ショートステイ)からスタートした活動が、今では、もう一つ、活動場所が
増えています。ボランティアメンバーにつきましても、私のタンゴセラピーへの熱意が伝わり、タンゴ仲間そしてママ友が、活動に参加して下さっています。
先日の活動の中で、とても印象に残っている出来事がありますので、ご紹介したいと思います。初めてのタンゴセラピーを行ったデイサービス施設での事です。
初めての活動ということで、この日は、福祉ネイルセラピストの将吾さんもご参加下さり、ネイルを施すことで、ご利用者様のタンゴセラピー参加への気分をあげてくださいました。
施術の順番をお待ちの女性利用者様に、ご挨拶の声をお掛けしたところ、ご自身が
幼い頃のお話をしてくださいました。
「幼い頃に、母がタンゴをよく聞いていたのを思い出しました。うちは田舎だったけど、蓄音機みたいなものがあってね。いつも母が聞いてたあの曲・・・何だったか・・・もう一度聞いてみたい」と。
それを聞いたからには、何とか曲を探し出してプレゼントしたいと思い、そのご利用者様にヒヤリングの嵐(笑)
「イタリア・・・? 田園・・・? 庭・・・?」と、一所懸命に思い出してくださり、私達もそのキーワードを頼りに、活動の始まるギリギリまで、スマホを手にネットで探しますが・・・
活動が始まり、いつも通り予定していたアクティビティを進め、いよいよ終盤。
ご利用者の皆様に、先ほどのエピソードをご紹介し、やっと探し出した間違いないだろう、
“イタリーの庭”を、私達のダンスデモと共に、ご披露しました。
デモが終わり、沢山の拍手の中、リクエスト頂いたご利用様をみると、目に涙を浮かべて、拍手を送ってくださっていました。
「この曲で間違いなかったですか?」
と、問いかけると、目を閉じ軽く頷いてくださった姿が、とても印象に残っています。
タンゴの音楽を聴くことで、昔の事を思い出し、回想が始まると言います。そして、それを“話す“ことで、認知症の進行の抑制に繋がるのではないかと聞いています。これは、ご利用者様にとって大変良い効果であると思いますし、また、私たちにとっても、ご利用者様の人生のドラマの一部に触れることができ、この先、心豊かに生きていく上でのエッセンスを頂けているように感じ、嬉しく思っています。
こうして、人生のドラマの一部を共有できることも、タンゴセラピーの良さの1つではないでしょうか?
私は、これからも沢山のドラマに出会って行きたいと思っていますので、タンゴセラピーをやめられません。
コロナウイルスの感染予防の為、先月より活動が中止となっており、再開の見通しも立っていません。顔なじみのご利用者皆様のご様子が気になって仕方ありません。また、私自身も、ご利用者様との温かいアブラッソが恋しくて寂しくて、仕方ありません。
一日も早く、コロナウイルスが落ち着くことを、毎日祈るばかりです。
MASAMI
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