〜心と身体で踊るタンゴ〜 「踊りましょうか?」 カベセオをして目があったSさんの方へ近づいて、そうSさんに声をかけました。 「はい」 Sさんはうっすら笑みを浮かべてそう答えました。 その時Sさんがフルリクライニング車椅子(※1)を使われていたことに気が付いた念のためにもう一度立てますか?と聞くと、Sさんは、 「はい、立てます」 とまた微笑んで答えられました。 近くにいらっしゃった職員さんにさりげなく確認すると、 「Sさんは全身麻痺のため動くことはできません」との言葉が。 職員さんに手伝っていただきフットレストを外すと、Sさんに「さぁ、踊りましょう!」と声をかけ、アブラッソしたままSさんと一緒に立ちました。 両腕、そして両脚からはアブラッソに返ってくる感覚はありませんでした。 でもそこには、Sさんの心としっかりとアブラッソしているのを感じました。 そして十数秒間という、かけがえの時間、心からSさんと踊りました。 その瞬間、改めてタンゴというこの踊りが【心で繋がること】を意味している事を感じました。 (※1 寝たきりの方や座位が保てない方が使用する車椅子) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ケニーです。 こちら水野リハビリテーション病院での活動も今回が5回目。入院中の患者様は、退院されていくため、毎回ほとんどの方がタンゴセラピー初参加の方。 いつも「退院してからも踊りましょうね!」とご挨拶しています。 今回も40名を超える皆様が、前もって準備体操をして私達を迎えてくださいました。 最初にメンバー紹介をして、アブラッソでのご挨拶タイム。みなさんにタンゴの事を聞くと、曲を聴いたことのある方はたくさんいらっしゃって、踊ったことのある方も。その方はご家族様が一緒に来られていました。 挨拶の後には最初に久枝さんと1曲踊らせていただき、そのあとに美奈子さんが座位でのエクササイズを行いました。 会場が広いため、いつもボランティアメンバーが3か所に別れて患者様の見やすい位置で動きを見せています。 みなさんが参加しやすい座位でのエクササイズの最後には、タンゴセラピー体操を。最後のポーズには、退院まで頑張ろうの気持ちを込めてガッツポーズを。 そしてそのあとの立位のエクササイズ、ペアでの歩き、ダンスタイムと進みました。 参加者の方の中には、デモの最中に自然に手拍子や足踏みをしてくださる方、 「若返ったわ!」と言ってくださった方。そして家族でご参加されていた方もとっても喜んで下さいました。 活動の最後のあいさつ後のアブラッソは、最初のご挨拶の時の何倍もお互い笑顔に、そして心を開いてのアブラッソになりました。 今回もボランティアのメンバーの皆さんのおかげで素晴らしい活動となりました。みなさんありがとうございました! 第5回 参加者 :約45名 ボランティアメンバー:美奈子さん、みやこちゃん、千春さん、あきさん リーダー:ケニー、久枝 次回活動 3月24日(土)14:00〜15:00 3月全ての活動は下記のリンクからご確認いただけます。 https://www.facebook.com/tangotherapy.japan/posts/2008525719458732